作家というものは、ときどき、思いもかけず、とても特別な本を書いてしまうことが、あります。『リリー・クエンチ』の物語は、わたしにとって、まさにそういう作品です。 このシリーズは、数年前に、一巻が出版されたときから、世界各国の若い読者のあいだで、大人気となりました。ありがたいことに、巻を追うにつれて、リリーとクイーン・ドラゴンの活躍を夢中で読んでくれる子どもたちの輪が、世界中に、どんどん広がっています。物語の重要な舞台となるアシュビー王国は、今や、作者のわたしにとって、第二の故郷となりました。過去と現在を行き来できる地点（スポット）があり、どんなつらいときも、愛と勇気と正しい心さえあれば、必ず魔法が味方をしてくれるこの国を、わたしと同じように愛してくれる人たちが、世界各国におおぜいいることを、とても心強く思っています。 わたしの心のなかには、リリーたちのための、とっておきの場所（スペース）があります。 日本の皆さん、大事なリリーを、これから、どうぞよろしくお願いします。 「新しいお友だちは、最高のたからものよ！」 リリーの親友クイーン・ドラゴンも、そういっていますよ。 　では、リリー・クエンチのシリーズ、どうぞ、楽しんでくださいね！ たくさんの愛をこめて。 2008年1月、オーストラリアのブリスベーンで、 ナタリー・ジェイン・プライアーより 　 オーストラリアでは、「デルトラ・クエスト」のエミリー・ロッダさんに次ぐ人気作家であるナタリー・ジェイン・プライアーさんの日本初訳となる『リリー・クエンチ』は、ばつぐんの発想で物語がどんどん思わぬ展開に進む、ファンタジー好きにはたまらないシリーズです。 【第1巻あらすじ】 リリーは祖母の死後、自分の家は代だいドラゴン撃退係の一家だということを知らされる。自国アシュビーを守るため、立ちむかう決心をしたリリーだったが、ほんとうに戦う相手はドラゴンではなく....。 平和な国を取り戻すため、リリーの冒険がはじまった！